ドライカレーの最大の魅力は、フライパン1つで完結する手軽さにあります。しかし、具材を一度に投入して炒めるだけの調理では、野菜から余分な水分が染み出し、べたついた「カレー風味の炒め煮」になりがちです。みじん切りにした玉ねぎと人参の甘味を最大限に引き出すには、火入れの工程に明確なロジックが必要です。
調理のファーストステップでは、フライパンに油と香味野菜(にんにく・生姜)を入れて弱火で熱し、香りが立ったら豚ひき肉または合挽き肉を投入します。ひき肉から透明な脂がにじみ出るまでしっかりと中火で焼き付け、メイラード反応による香ばしさを形成するのがポイントです。
続いて、細かく刻んだ玉ねぎと人参を投入します。ここで少量の塩(ひとつまみ)を振ることで、野菜の細胞壁が壊れて水分が抜けやすくなり、短時間で飴色に近い甘みを引き出すことが可能になります。野菜がしんなりとした段階で調味料を加え、水分を飛ばしながら全体を炒め合わせることで、フライパン1つでもべたつかずパラリとした極上の仕上がりを実現できます。