多部未華子と三浦春馬の共演歴を振り返る際、映画関係者やファンの間で必ず語り草となるのが「約4年周期」という絶妙な間隔です。10代後半から20代、そして30代の入り口に至るまで、役者として人間として大きな転換期を迎えるタイミングで、2人はいつもスクリーンの中心で向き合ってきました。
最初の出会いとなった映画『君に届け』では、周囲から浮いてしまいがちな主人公・爽子のピュアな心の揺らぎを多部未華子が瑞々しく体現し、誰に対しても分け隔てなく接する風早の眩しさを三浦春馬が完璧に演じ切りました。当時20代前半だった2人の演技は、単なる青春恋愛映画の枠を大きく飛び越え、観客の心に深い清涼感を残しました。
それから4年後の2014年、フジテレビ系ドラマ『僕のいた時間』で再会を果たします。筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病に冒されながらも懸命に生きる主人公・拓人を三浦春馬が魂を削るように熱演。その過酷な運命に寄り添い、時に葛藤しながらも手を握り続けるヒロイン・恵役を務めたのが多部未華子でした。三浦春馬自らが「この難しい役柄の相手役は多部さんしかいない」と熱望したとされる本作は、2人の表現者としての覚悟がぶつかり合った名作として語り継がれています。
さらに5年が経過した2019年、映画『アイネクライネナハトムジーク』で3度目の恋人役を演じます。劇中で描かれた「出会いの奇跡と日常の尊さ」は、実際に10年近い年月を役者として並走してきた2人の歴史そのものと重なり合い、観る者に格別の説得力を与えました。