「これ以上の引き上げは、廃業を意味する」。名古屋市内で長年飲食店を営む個人経営者は、ため息混じりに語ります。サービス業では人件費が経費の大きな割合を占めるため、最低賃金の上昇はダイレクトに利益を圧迫します。メニューの価格を上げれば客離れが起き、据え置けば赤字になるという板挟み状態です。
製造業の現場でも同様の悲鳴が聞こえます。発注元である大手企業からの単価引き下げ圧力が根強い中、人件費だけが上昇していく構造は、地域経済の基礎体力を確実に削り取っています。一部の企業では、存続のために事業規模の縮小や、人員削減に踏み切る動きも出始めています。