直営店に足を運んでも目当てのアイテムに出会えないという声は後を絶たない。その背景には、厳格な品質基準に伴う生産量の限定と、世界的な原材料コストの高騰が存在する。職人の手仕事によって仕上げられる最高級のレザーアイテムは、大量生産が不可能であり、供給が需要のスピードに追いつかない状態が定着している。
さらに注視すべきは、LVMHグループ全体が進めるブランド価値維持のための戦略的な価格改定だ。ここ数年で複数回にわたり実施された改定により、販売価格は緩やかな上昇トレンドを維持している。「欲しいと思った瞬間が最安値である」という市場の認識がユーザーの購買意欲を急速に刺激し、さらなる入手困難に拍車をかけているのが実情だ。