20代前半から所属し、二人三脚でスターダムを駆け上がった大手芸能事務所「フラーム」からの独立は、彼女にとって退路を断つ決断だった。元夫であるキャンドル・ジュン氏による異例の単独記者会見や、私生活の手紙が赤裸々に流出したあの夏、関係各所との信頼関係は完全に瓦解していた。立ち止まることは許されない。彼女が選んだのは、自らを代表に据えた新会社「株式会社R.H」の設立だった。
芸能界という巨大な構造の中で守られてきた立場を捨て、自らの看板一本で立つリスクは計り知れない。オフィスの手配からスタッフの再編、法務やスケジュールの管理に至るまで、実務を背負う日々。しかし関係者によれば、彼女の表情に後悔の色はなかったという。守られる立場から自らを守り、動かす立場へ。それはひとりの表現者としての再起動を意味していた。