なぜ人々は「海外では〜」と語りたがり、そしてなぜ受け手はそれに激しく反発するのか。この現象の真相を探ると、発言者側が抱く「手軽な権威付けへの依存」と、受け手側の「他者からの説教に対する強いアレルギー」が真っ向から衝突している構図が見えてくる。
発言者の心理根底にあるのは、自らの主張に手っ取り早く客観的な説得力を与えたいという欲求だ。欧米の事例を引き出すことで、あたかもグローバルスタンダードを背景にした正当性があるかのように演出する。だが、モデルとされる国の歴史的背景や現場の文脈を無視した一方的な理想化は、国内の課題と泥臭く向き合う人々から「現地の現実を見ない自己満足」と切り捨てられる大きな要因になっている。