ネット上のファンの間では「香川は私立2強の寡占状態になり、公立校にはノーチャンス」という見方が支配的になりつつあります。しかし、この言説はトーナメントの構造と育成の現場を丁寧に見落とした早計な見立てです。
公立の雄である高松商業の強さを支えているのは、単なる精神論ではありません。同校が誇る武器の一つが、全国トップレベルの進路実績に裏打ちされた知性的なフットボールです。高松商業高校サッカー部進路を追跡すると、筑波大学や鹿屋体育大学といった国立の強豪校をはじめ、関西学院大学、同志社大学、立命館大学などの名門私大へ指定校推薦や一般入試で進学する選手が毎年多数を占めています。
高校サッカー引退後のキャリアを見据えた時、学業との両立を高い次元で成し遂げている環境は、選手と保護者にとって極めて魅力的な選択肢です。現に、中学年代のトップ選手の中には「サッカー特待で私立へ行く道もあったが、将来を見据えて高商を選んだ」という選手が一定数存在します。戦術的にも、相手のストロングポイントを綿密にスカウティングして消し去る柔軟な対応力は、私立の強豪にとっても最大の脅威であり続けています。