美術館の体験価値を底上げしているのが、館内に併設された「こかげカフェ(こかげカフェ L'ombrage)」とミュージアムショップ「ルルル」の存在です。単なる付帯施設にとどまらず、地元カルチャーの発信拠点として確固たるファンを獲得しています。
展示室を出た先にある「こかげカフェ」は、大きな窓から西大畑の木立を臨む開放的な空間が特徴です。特筆すべきは、提供されるベーグルやスイーツが卵・乳製品不使用(アレルギー対応)を基本としている点です。食物アレルギーを持つ子ども連れの家族からヴィーガン志向の旅行者まで、誰もが同じテーブルで妥協のない美味しさを共有できる配慮は、公共施設内のカフェとして先進的な試みといえます。地元新潟産の大豆粉や米粉を活かしたもちもち食感のベーグルサンドやスペシャルティコーヒーは、鑑賞後の頭を優しく解きほぐしてくれます。
一方、エントランス近傍に構えるミュージアムショップ「ルルル」は、展覧会関連グッズの陳列にとどまらないエッジの効いたキュレーションが光ります。新潟県内のクラフト作家による陶器やアクセサリー、独自視点でセレクトされたアートブックやZINEなど、手仕事の温もりと知的好奇心を刺激するアイテムが並びます。来館者への聞き取り調査でも、「展示を観た後、ルルルで新潟ならではの良質な土産を見つけるのが定番ルート」という声が多く聞かれました。