2002年2月6日に発売された『a Day in Our Life』が音楽市場に投じた最大の波紋は、税込500円(税抜476円)という破格のワンコイン価格でした。当時の一般的なマキシシングルは1,000円から1,200円程度が相場であり、半額以下という設定は極めて異例の事態でした。
この驚きの価格設定が実現した背景には、ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)が嵐のために新設したプライベートレーベル「J Storm」の旗揚げ第1弾シングルという重大な節目が関係しています。ポニーキャニオンからのレーベル移籍に伴い、単なる新曲のリリースにとどまらない、業界の流通構造そのものに揺さぶりをかける大胆なプロモーション戦略が打たれました。
徹底したコスト削減とプロモーション特化のため、本作には一般的なプラスチックケースではなく、CDがそのまま収められた見開き型ペーパースリーブ(薄型紙ジャケット)が採用されました。さらに収録曲は表題曲の1曲のみで、カラオケ音源やカップリング曲も一切収録されていません。当時のレコード関係者の証言によると、「音楽ファンだけでなく、中高生が小遣いで気軽に手に取れるハードルの低さを最優先し、新レーベルの存在感を瞬時に浸透させる実験的パッケージだった」と振り返られています。
オリコンチャートでは初動売上約37.8万枚を叩き出し、見事に週間シングルランキング1位を獲得しました。利益率度外視とも言えるワンコイン戦略は、新規ファンの裾野を一気に広げ、嵐というグループの独立性と挑戦姿勢を世に知らしめる決定打となりました。