仮面ライダーシリーズのキャスティングにおいて、目利きたちの間で主役以上に注目されるのが「2号ライダー」や「宿敵・ライバル枠」です。主人公が「王道・正義・ピュア」を背負うのに対し、2号ライダーは「影・トラウマ・複雑な過去・信念の対立」という重層的なドラマを託されるため、卓越した演技力を持つ個性派が配役される傾向にあります。
その筆頭が『仮面ライダーアギト』でG3(氷川誠)を演じた要潤さんや、『仮面ライダー555』でスパイダーオルフェノク(木場勇治の仲間)として鮮烈な印象を残した綾野剛さんです。綾野さんは石田秀範監督から徹底的な演技指導を受け、「芝居の根底を叩き込まれた原点」として特撮時代を振り返っています。
近年でもその傾向は加速しており、代表的な例として以下の俳優たちが挙げられます。
・吉沢亮(『仮面ライダーフォーゼ』仮面ライダーメテオ/朔田流星役):クールで孤独な潜入員を演じ、後にNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演を務めるトップ俳優へ飛躍。
・磯村勇斗(『仮面ライダーゴースト』仮面ライダーネクロム/アラン役):敵から味方へ転じる精神的成長を見事に体現。第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞するなど、現在の日本映画界に不可欠な名バイプレイヤーに。
・赤楚衛二(『仮面ライダービルド』仮面ライダークローズ/万丈龍我役):不器用だが情に厚い熱血漢を好演。後にドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』や朝ドラ『舞いあがれ!』で大ブレイクを果たしました。
正義のあり方を問いかける深みのある役柄を1年間演じ切ることで、彼らは単なるアイドルの枠を超え、人間臭い芝居のできる役者へと開花していくのです。