新世界国際劇場の看板を語る上で欠かせないのが、血沸き肉躍るヤクザ映画の数々だ。鬼才・深作欣二監督がメガホンをとった『仁義なき戦い』シリーズが上映される日には、場内に異様な緊張感と高揚感が充満する。手持ちカメラが捉える泥臭いバイオレンスと人間臭さは、劇場の巨大なスクリーンで観てこそ真の威力を発揮する。
さらに、高倉健の『昭和残侠伝』に代表される東映の様式美、そして圧倒的なカリスマ性と破天荒な殺陣で観客を魅了した勝新太郎の主演作など、銀幕の巨星たちが放つオーラは時代を越えて観る者の胸を打つ。松竹株式会社が手掛けた哀愁漂う人情喜劇やリアリズム映画も絶妙に織り交ぜられ、娯楽映画が持っていた底知れぬエネルギーを現代に突きつける。