温泉と並ぶ峡雲荘の大きな柱が、八幡平の豊かな大地がもたらすエネルギーを直接活用した地熱料理です。隣接する松川地熱発電所の蒸気を引き込み、高温の蒸気釜でじっくりと加熱された食材は、余分な脂が落ちつつも旨味が凝縮され、素材本来の甘みが極限まで引き出されます。
夕食の膳に並ぶのは、地熱蒸気でふっくらと蒸し上げられた八幡平ポークや季節の根菜類、そして地元特産のホロホロ鳥の鍋や滋味豊かなイワナの塩焼きです。派手な霜降り肉や高級海鮮に頼るのではなく、山菜、キノコ、清流の川魚といった山の幸を、丁寧な出汁と職人技で仕立てた料理の数々は、ひと口ごとに身体へ染み渡るような優しさに満ちています。
朝食にも地熱蒸気で調理された温泉卵や、岩手県産米の炊きたてご飯、地元産味噌を使用した味噌汁が並び、「派手さはないが、一品一品が驚くほど美味しく、朝からご飯を何杯もおかわりしてしまう」という口コミが絶えません。大自然の恵みを舌で味わう体験は、まさにこの地を訪れた者だけに許された特権です。