取材班が熊本県内の育成現場を調査すると、制度の端境期におけるリアルな葛藤が浮かび上がってくる。県中体連関係者や地域クラブの代表者が一様に口を揃えるのは、「部活動の地域クラブ移行に伴う登録の複雑化」だ。
熊本市内のクラブチーム指導者は次のように現場の実情を打ち明ける。「以前は中学校の顧問の先生が一括して中体連経由でエントリーしていたが、クラブ化によって日本バレーボール協会登録、県協会への二重提出、さらに中体連の承認手続きと事務負担が跳ね上がった。手続きに不備があれば、子どもたちが大会のコートに立てなくなるため、年度始めのプレッシャーは尋常ではない」。
さらに、保護者や若手指導者の間で議論となっているのが「熊本県バレーボール協会 審判委員会」が定める帯同審判のレギュレーションだ。県内のオープン大会や社会人大会では、各チームから公認審判員を拠出することが参加条件となる事例が多い。SNS上でも「審判講習会の受講枠がすぐに埋まって資格取得が間に合わない」「指導者が試合の指揮を執りながら主審を務めるのは体力的・精神的に過酷」といった声が散見される。競技の質と安全性を担保するための厳格化が、現場のマンパワー不足と軋轢を生んでいる構造は否めない。