尾崎紀世彦が圧倒的な声量で歌い上げた原曲は、昭和の歌謡界における金字塔だ。ダイナミックで、どこか劇的な別れを描いたあの世界観を、平井大はまったく異なるアプローチで再定義した。彼の手にかかれば、かつてのダイナミックな別れの歌が、まるで波打ち際で夕日を眺めているかのような、穏やかでパーソナルな物語へと姿を変える。
アコースティックギターとウクレレを基調としたオーガニックなアレンジは、聴き手の耳元で直接語りかけてくるような親密さを持つ。派手なエフェクトや過剰な演出を削ぎ落としたからこそ、メロディ本来の美しさと歌詞の一言一言がストレートに胸に響くのだ。