今の10代は、生まれた時から最適化されたコンテンツに囲まれて育ってきた。彼らにとって、他人の好みに合わせようと必死になる歌詞の主人公は、新鮮で、かつ痛いほどリアルに映る。スマートに生きることが推奨される社会で、泥臭く「ロック」を押し付けようとする姿が、逆にクールだと捉えられているのだ。
「好きな人を理解したい」という、いつの時代も変わらない衝動。それが、現代の洗練されたポップスにはない「体温」を感じさせる。SNSの短い動画で消費されるだけの音楽に飽きた若者たちが、こうしたストーリー性のある楽曲に深く没入している。