かつては後継者不足が叫ばれた伝統工芸の世界だが、今の常滑は様相が異なる。かつての製陶所や職人の工房だった古い木造建築が、次々と若い世代のギャラリーやアトリエへと生まれ変わっているのだ。
ここで暖簾を掲げる30代の陶芸家に話を聞いた。「常滑の土は荒く、包容力がある。ここで作る器には、都会では決して出せない手ざわりが宿るんです」。洗練された現代的なプロダクトデザインと、数百年培われた常滑焼の技法。そのふたつが融合した新しい器たちが、ギャラリーの静謐な空間で静かに光を放っている。若いクリエイターたちが移住し、街に新しい息吹を吹き込むサイクルが完全に定着した。