組織が肥大化するにつれ、内部の主導権争いは避けられないものとなった。実務と組織の規律を重視する試衛館派の近藤勇と土方歳三にとって、芹沢一派の傍若無人な挙動は、組織の存続そのものを脅かす致命的なリスクだった。
会津藩からの信頼を勝ち取り、組織を「新選組」という確固たる武士集団へと脱皮させるためには、過激で制御不能な芹沢の存在を排除しなければならない。近藤と土方は密かに計画を進めた。局中法度という厳格な鉄の掟が作られた裏には、芹沢派を一掃するための明確な政治的意図が隠されていたのだ。男たちの野望と矜持がぶつかり合う、悲劇的な対立が頂点に達しようとしていた。