1970年代、早稲田大学在学中に鬼才・つかこうへいと出会い、劇団つかこうへい事務所の結成に参加した若き日の平田満。その情熱は1982年公開の映画『蒲田行進曲』でひとつの頂点を迎える。彼が演じた大部屋俳優「ヤス」の泥臭くも切ない演技は、当時の映画界に激震を与えた。
あの大階段を転がり落ちる伝説のシーン。命を賭してスターのために階段落ちに挑むヤス役で、彼は日本アカデミー賞主演男優賞をはじめ数々の賞を総なめにした。当時のスチール写真に刻まれた必死の形相と汗、そして哀愁を帯びた瞳は、今なお色あせることのない邦画史の金字塔だ。