長年、BLは女性たちの閉じたコミュニティにおける「隠された愉しみ」とされてきた。しかし、ジェンダー論やメディア表現史の観点から、その文学的・芸術的価値を再評価する動きが急速に強まっている。特に1970年代から80年代にかけて発行された初期の同人誌は、当時の女性たちの抑圧された自己表現や、社会への抵抗の軌跡そのものだ。
大学の研究者も頻繁にここを訪れる。ある社会学教授は、「ここに眠る資料は、公立図書館ではまず収集されない。しかし、これらこそが戦後日本の女性文化のリアルな底流を示している」と指摘する。民間の手によってこれだけの規模で体系的に分類・保管された意義は極めて大きい。