エンジェルビルが位置する新宿・歌舞伎町は、戦後の復興期から劇場街、映画街、そしてアジア有数の歓楽街へと劇的なトランスフォーメーションを遂げてきました。同ビルが建設されたのは、深夜興行やスナック文化が爆発的な盛り上がりを見せていた時代です。
当初は複数の飲食事業者やナイトレジャー関連店舗が入居する典型的な多目的商業ビルとしてスタートし、時代の好不況をダイレクトに反映しながら入退去を繰り返してきました。バブル期の狂乱、2000年代初頭の歌舞伎町浄化作戦、さらには近年のインバウンド急増と、激動の歴史を定点観測してきた生き字引のような建造物といえます。
老舗の個人店が暖簾を守り続ける一方で、経営者の世代交代に伴って内装の全面リノベーションが行われるなど、建物の歴史と沿革には新旧のカルチャーが幾重にも折り重なっています。