マーヴィンとの別れからわずか数ヶ月後、2013年1月に電撃結成されたのが木原龍一との「成龍(なるりゅう)ペア」でした。当時シングルスケーターとして活動していた木原に対し、ペア経験豊富な高橋が基礎から技術を伝える形でスタートしたプロジェクトです。
結成わずか1年という異例のスピードで2014年ソチ五輪の出場枠を獲得し、ソチ五輪団体戦5位入賞に大きく貢献した功績は極めて高い評価を受けました。しかし、2015年世界選手権後に突如としてペア解消が発表されます。
ネット上では「不仲説」などの憶測が飛び交いましたが、当時の関係者証言や後の両者の手記から浮かび上がる真相は異なります。シングル出身の木原が急速に力をつけ、リフトやツイストの負荷が増すにつれ、ペアとしての「技術的アプローチの差」や「理想とする滑りのリズム」に微細なズレが生じ始めました。お互いのスケート人生を停滞させないための前向きな選択こそが解消の真因でした。
木原龍一が後に三浦璃来と結成した「りくりゅう」ペアで世界の頂点へ立った際、高橋成美は解説席やSNSで誰よりも熱狂的なエールを送り、木原もまた「成美ちゃんがペアの基礎をゼロから叩き込んでくれたから今がある」と公の場で深い感謝を語っています。ふたりの絆は、競技の枠を超えた戦友として今も強く結ばれています。