彼がこれまでに調理し、胃袋に収めてきた生き物のリストは圧巻の一言だ。漆黒の海から引き揚げられた深海魚のブヨブヨとした筋肉質や、河川の生態系を脅かす外来種の強靭な肉質など、一見すると食欲をそそらない食材が次々と調理台に並ぶ。しかし、彼の包丁捌きと適切な下処理によって、それらは驚くべき「珍味」へと姿を変える。
害魚として忌み嫌われる外来種をただ駆除するのではなく、美味しくいただくことで命の循環を完結させる手法は、環境問題に対するユニークなアプローチとしても注目されている。見た目のグロテスクさに隠された極上の旨味を発見した瞬間の彼の笑顔は、人間と自然との関わり方について重要な示唆を与えてくれる。生態系のリアルを自らの舌で確かめる探求心は、衰えるどころかさらに加速している。