船場吉兆の不祥事は、全国に展開する他の「吉兆」にも深刻な風評被害をもたらしました。しかし、一般消費者の間では「すべての吉兆が同じ会社なのか」という疑問や誤解が多く見られました。
もともと「吉兆」は、文化勲章受章者でもある稀代の料理人・湯木貞一氏が大阪で創業した料亭です。貞一氏の引退に伴い、グループは子どもたちへ暖簾分けの形で分社化されました。
グループは以下の5社に完全に独立分社化されており、資本関係や日々の経営は別々に行われていました。
- 本吉兆:大阪・高麗橋を本拠とする本家筋。
- 東京吉兆:東京・銀座や築地を中心に展開。
- 京都吉兆:京都・嵐山に本店を構え、徳岡邦夫氏が率いる。
- 神戸吉兆:兵庫・神戸エリアを中心に展開。
- 船場吉兆:貞一氏の三女である湯木佐知子氏とその夫が継いだ大阪・船場の法人(廃業)。
事件当時、京都吉兆をはじめとする他のグループ各社は船場吉兆の行為を厳しく非難し、暖簾の商標使用契約を解除するなど完全な絶縁状態を取りました。現在も存続している京都吉兆や本吉兆などは、船場吉兆とは経営母体が全く異なる独立企業です。