沖縄の笑い界を理解する上で欠かせないのが、大手プロダクションと地域密着型事務所の幸福な競合関係だ。全国的なネットワークと圧倒的な発信力を誇る吉本興業が沖縄に拠点を置き、一大カルチャーの構築に乗り出した一方で、地元には脈々と受け継がれてきた「笑いの生態系」が根を張っている。
その二大巨頭として君臨するのが、老舗のFECオフィスと、新進気鋭のタレントを数多く輩出するオリジン・コーポレーションだ。FECオフィスは沖縄方言(ウチナーグチ)を巧みに取り入れた庶民的な笑いで熱狂的なファンを持ち、対するオリジン・コーポレーションは若者の感性に寄り添ったポップでエッジの効いた舞台を仕掛ける。エンターテインメント産業としての沖縄のお笑いは、これら複数の事務所が互いに刺激し合うことで、驚くほど多様な進化を遂げてきた。