通夜や葬儀の受付、あるいは香典を渡す際の言葉遣いにも基本がある。受付で香典袋を差し出す際は、「この度はご愁傷さまでございます」「この度はお悔やみ申し上げます」と静かに一言添えて一礼するのが美しい立ち振る舞いだ。
近年増加している家族葬では、遺族側が「香典辞退」「供花辞退」を明記しているケースが多い。第一線で現場を取り仕切る葬祭ディレクターによれば、辞退の意向が示されているにもかかわらず無理に香典を渡そうとする行為は、かえって遺族に返礼の手間を背負わせることになるという。
冠婚葬祭のルールは時代とともに変化している。形式を一方的に押し通すのではなく、遺族の意向を最優先に尊重することこそが、現代における最も洗練されたマナーといえる。