テレビの規制が厳しくなる一方で、日本映画や舞台演劇の世界は高橋由美子にとって剥き出しの感情をぶつけ合える格好の実験場となった。特に東映配給の劇場公開作や重厚な人間ドラマにおいて、彼女が演じた大人の情愛は高い評価を受けている。
言葉よりも雄弁に語る視線、震える指先、そして息遣いまで計算されたベッドシーン。そこにはアイドルの面影は微塵もなく、愛憎渦巻く現実に生きる生身の人間が存在していた。生真面目なほど役に没入する彼女のスタンスは、共演者や映画監督からも絶大な信頼を獲得。体当たりの演技を単なるスキャンダリズムで終わらせず、質の高いドラマへと昇華させる腕前は圧巻の一言だ。