青学大の強さを語る上で、原監督と同じかそれ以上に重要なキーパーソンが、町田寮(東京都町田市)の寮母を務める妻・原美穂(はら・みほ)さんです。
2004年の監督就任に伴い、美穂さんは安定した広島での生活を捨て、夫と共に上京。約50名近い男子部員と寝食を共にし、毎日の朝夕の食事作りや健康管理、掃除、洗濯といった過酷な寮生活を20年以上にわたって支え続けてきました。
美穂さんの寮母としてのスタンスは、「陸上の技術や記録には一切口を出さない」という徹底した心理的バウンダリー(境界線)の維持にあります。原監督がグラウンドで厳しく指導する一方、寮は選手にとって「帰ってホッとできる家」でなければならないという信念から、愚痴を聞き、体調の変化に目を配り、時に母のように寄り添うことで、チームの精神的セーフティネットとして機能しています。
部員たちからは「美穂さん」「寮母さん」と慕われ、卒業後も実業団や一般社会で活躍するOBたちが美穂さんの手料理や温かい言葉に感謝を述べる姿は、テレビの密着ドキュメンタリー等でも度々取り上げられています。