昆虫食愛好家や実際にセミを口にした人々が口を揃えて語るのが、「セミの味ナッツ風味」という驚きの食感です。なかでも特に評価が高いのが、羽化直前のクマゼミ幼虫の味です。
成虫と幼虫では味わいが劇的に異なります。羽が生えた成虫はキチン質の殻が硬く、揚げると「エビの殻」に近い香ばしさが際立ちますが、内部の肉質はややパサつく傾向にあります。これに対し、土から出てきて木に登る直前の幼虫は、体を構成する細胞が極めて柔らかく、濃厚な脂肪分とアミノ酸をたっぷり蓄えています。
セミは数年間にわたり地中で木の根から純粋な樹液だけを吸って成長します。不純物の少ない植物性エキスを凝縮して蓄えているため、特有の青臭さや生臭さがほとんどありません。油でじっくり揚げると、「クルミやカシューナッツをローストしたような香ばしさ」と「アボカドや白子、カニ味噌を思わせるクリーミーなコク」が口いっぱいに広がります。沖縄セミ食べる理由として、物珍しさだけでなく「純粋に食材として極めて美味である」という事実が美食家たちを引きつけています。