ネット上の掲示板やSNSでは、「急にテレビの露出が増えた女性タレントは全員枕営業をしている」「大河ドラマの主演は裏取引で決まる」といった極端な憶測が飛び交うことがあります。しかし、これらは現場のリアリティとは大きく乖離した誤解です。
現在の主要キー局のプライムタイム枠や大規模映画のキャスティングは、スポンサー企業による厳密なコンプライアンス審査、広告代理店の市場調査データ、SNSのフォロワーエンゲージメント数など、多角的な客観指標に基づいて合議制で決定されます。一人のプロデューサーや役員の独断で主演をねじ込める時代ではなくなっており、リスクを冒してまで私的な関係を強要するメリットは制作側にとっても極めて希薄になっています。
一方で、警戒すべきは大手メディアではなく、インフルエンサー界隈やWebドラマ、新興の配信レーベルなど、コンプライアンス監視の目が届きにくいグレーな新興領域です。知名度のないプロデューサーを名乗るブローカーが、「有名YouTuberとのコラボ」「インフルエンサー事務所の専属モデル枠」をエサに若者を騙す事案が新たな社会問題として浮上しています。