慶應義塾幼稚舎の入試における最大の特長は、保護者面接が存在しない点にある。試験場に立つのは6歳前後のおさなご自身であり、評価されるのはペーパーテストの点数ではなく、運動や絵画・体操、そしてグループ行動における振る舞いだ。
「面接がないからこそ、親のメッキは通用しない」。そう語るのは、実際に子どもを合格させた母親だ。試験当日に見られるのは、指示を正しく理解し、見知らぬ他者と協調しながら課題を解決できるかという本質的な人間力である。面接で取り繕うことができない分、日々の家庭生活における親子の関わり方やしつけが、子どもの立ち振る舞いとして残酷なほどストレートに試験官へ伝わってしまうのだ。