ニキビ跡と一口に言っても、皮膚のどの層でどのような生体反応が起きているかによって、必要な対処法は根本から異なります。ドラッグストアで買えるニキビ跡薬を選ぶ前に、まず自身の症状が以下の3パターンのどれに該当するかを見極める必要があります。
第1のタイプは、ニキビの炎症が治まった直後に見られる「赤み(炎症後紅斑)」です。毛細血管が拡張・増生して皮膚が薄い状態から透けて見えている現象であり、毛包周囲の微小な炎症が燻っています。この段階であれば、血行促進や抗炎症作用を持つ外用薬、ヘパリン類似物質やグリチルリチン酸ジカリウムなどを配合したアイテムで改善を早めることが可能です。
第2のタイプは、半年以上経過しても茶色く残る「色素沈着(炎症後色素沈着)」です。炎症刺激によってメラノサイトが活性化し、表皮や真皮上層にメラニン色素が過剰沈着しています。これにはビタミンC誘導体、トラネキサム酸、ハイドロキノン誘導体などを含む医薬品・医薬部外品によるメラニン還元と排出の促進が有効です。
第3のタイプが、肌がクレーター状に陥没した「萎縮性瘢痕」や、逆に盛り上がった「肥厚性瘢痕」です。ニキビの激しい炎症が表皮を超えて深部の真皮層や皮下組織を破壊し、コラーゲン繊維が線維化・癒着を起こしています。化粧品やドラッグストアの塗り薬は薬機法上、角質層までしか浸透しないため、クレーターニキビ跡を市販薬で平坦に戻すことは医学的に不可能です。凹凸に対して市販薬を塗り続けることは、時間と費用の浪費につながるため注意が必要です。