坂本冬美がNHK紅白歌合戦で『風に立つ』を歌唱したのは、1999年の第50回、そして2008年の第59回の2回にわたります。特に記憶に刻まれているのが、2008年のステージです。
2002年の一時的な活動休止と休養、そして劇的な復帰を経て、歌手としての成熟期を迎えていた坂本冬美。2008年の大晦日、凛とした着物姿でステージ中央に立ち、魂を込めて歌い上げた『風に立つ』の歌声は、お茶の間の視聴者に強烈なインパクトを残しました。
放送当時の視聴者アンケートやSNS・コミュニティ上の感想を検証すると、「リストラや体調不良でどん底だった時にこの歌を聴いて涙が止まらなかった」「着物の裾を払って歌う姿に凄みを感じ、明日への活力を貰った」といった共感の声が殺到していました。単なるエンターテインメントの枠を超え、苦難を乗り越えてきた一人の表現者としての説得力が、言葉の一つひとつに宿っていた証拠です。