同窓会を語るうえで避けて通れないのが、無意識に立ち現れる「格差」の存在だ。世間では「来ない人は人生の負け組だから顔を出せないのだろう」というステレオタイプが根強く残っていた。しかし、実態はむしろ真逆の様相を呈している。
多忙を極めるビジネスパーソンや、すでに自己実現を果たして精神的に自立している層ほど、同窓会を敬遠する傾向が顕著だ。彼らにとって時間は有限の資産であり、昔のヒエラルキーに基づく無意味なマウンティングや、中身のない近況報告に付き合うコストパフォーマンスは極めて低い。自慢合戦に興じる必要がないほど現実が満たされているため、わざわざ承認欲求を満たす場を求める動機がそもそも存在しない。
一方で、現在の生活環境や収入、未婚・既婚といったライフステージの差が残酷なコントラストを生み出すことも事実だ。格差が生み出す無言のプレッシャーを本能的に察知し、自分の平穏を守るために距離を置く賢明な不参加者も多い。来ない人は「逃げている」のではなく、無用な摩擦を回避するリテラシーを持ち合わせているのだ。