エレベーターマナーの完成度は、乗っている最中だけでなく「乗る前の誘導」と「降りた後の見送り」の所作によって決定づけられます。相手に一切の違和感を抱かせない一連の流れを整理します。
ホールでの待ち時間と誘導の所作
来客をエレベーターホールへ案内する際は、自分が少し前を歩き、到着階のボタンを押します。エレベーターが到着するまでの数十秒間は、無言で待つのではなく「本日はお足元の悪い中、ご足労いただきありがとうございました」「本日の打ち合わせ内容は非常に有意義でした」など、軽めの社交辞令(スモールトーク)を挟むことで緊張感を緩和させます。
エレベーターが到着し扉が開いたら、「〇階へ参ります。どうぞ」と手先を揃えて方向を示し、前述の基準に従ってエスコートします。
見送り時の絶対作法:お辞儀を解くタイミング
来客がエレベーターに乗って帰路につく際の見送りは、ビジネスマナーの中でも特に印象を左右する場面です。
- 顧客がエレベーターに乗り込んだら、ホール側に立ち、体を相手へ正対させます。
- 「本日は誠にありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、深く一礼(最敬礼:約45度)します。
- 重要:ドアが完全に閉まりきるまで頭を上げない(または頭を下げたまま視線を床に落とす)。
- 扉が閉まる途中で頭を上げたり、背を向けて歩き出したりする姿は、隙間から相手に丸見えとなります。完全にドアが閉まり、駆動音が静まるまで頭を下げ続けるのが礼儀です。