ネット上やSNSでは、クマ被害に関して根拠の乏しい言説や危険な思い込みが散見されます。二次被害を防ぐためにも、以下の代表的な誤解を是正しておく必要があります。
誤解①:「熊鈴やラジオを鳴らしていれば100%襲われない」
これは最も危険な誤認の一つです。鈴やラジオは本来「クマに人間の接近を知らせて回避させる」ための道具ですが、人慣れしたクマや強い空腹状態にある個体、または突発的な強風・沢の音で周囲の音が遮断されている状況では効果を発揮しません。かえって音に興味を持って接近してくる個体の存在も報告されており、過信は禁物です。
誤解②:「子グマなら可愛くて無害である」
体長50センチ〜1メートル程度の子グマや若齢個体を見かけた際、撮影しようと近づく行為は極めて危険です。近くには高い確率で強烈な母性本能と攻撃性を持った母グマが潜んでおり、視界に入った人間を外敵とみなして即座に突進してきます。子グマを目撃した場合は、その場から静かに、速やかに立ち去らなければなりません。
誤解③:「死んだふりをすればやり過ごせる」
昭和期に広まった「死んだふり」は現在の野生動物行動学において推奨されていません。倒れ込んで無抵抗になった人間に対し、クマが執拗に引っ掻く、噛みつくなどの攻撃を加える事例が多数確認されています。万が一の至近距離での遭遇時には、首の後ろを手で覆い、うつ伏せになって急所をガードする「防御姿勢」が最終手段とされます。