善意の空回りは、物資支援の場面でより先鋭化する。被災自治体には、仕分けされていない古着、消費期限切れ間近の食品、季節外れの不用品が「救援物資」の名目でトラックごと送りつけられるケースが絶えない。災害救助法に基づく公的な物資供給ルートが稼働し始める中で、こうした未分別の個人物資を仕分けるために役場職員や支援スタッフが何時間も割かれる事態は、明らかな業務妨害となってしまう。
日本赤十字社などが強調するように、物資は個人の判断で送るのではなく、公式に要請された品目を用法・用量を守って届けるのが原則だ。また、現場で活動する防災士らも、適切な個人防護具(釘の踏み抜き防止インソールや防塵マスク)を持たずに活動して怪我を負うボランティアのリスクを指摘する。怪我人は被災地の限られた医療リソースを消費する「要救助者」へと転落してしまうからだ。