体温が上がりきり、顔が火照って体が熱くなってきた段階(発熱ピーク期)では、外部からのクーリング(冷却)が有効です。ただし、冷やす場所を誤ると解熱効果はほとんど期待できません。
一般的に普及している冷却シートをおでこに貼る方法は、メントール成分による冷涼感で気分をリフレッシュさせる効果はあるものの、体温そのものを下げる医学的な冷却効果はほとんどありません。体温を物理的に効率よく下げるためには、発熱時に冷やす場所として太い血管(動脈)が皮膚の浅い位置を通っている部位を選ぶ必要があります。
具体的に保冷剤や氷嚢(タオルで巻いたもの)を当てるべき主要部位は以下の3箇所です。
- 首の両脇(頸動脈):喉仏の左右斜め後ろあたり。脳へ送られる大量の血液を冷やす。
- 脇の下(腋窩動脈):くぼみの中心部。リンパ節と太い血管が集中している。
- 鼠径部・脚の付け根(大腿動脈):太ももの付け根の前側。下半身を巡る太い血管を冷却する。
冷やす際は、凍傷を防ぐために保冷剤を必ず薄手のタオルやガーゼで包み、1箇所につき15〜20分程度を目安に当てます。患者本人が「冷たくて心地よい」と感じているかを確認しながら行い、寒気を訴えた場合は直ちに冷却を中止してください。