硬貨手数料の問題は、一民間銀行の都合にとどまらない。監督官庁である金融庁や、通貨の発行元である日本銀行もまた、日本全国に張り巡らされた「現金流通インフラ」の維持限界を深刻に受け止めている。
低金利環境が長く続いた日本の金融界において、現金の維持管理コストは年間数兆円規模にのぼると推計されてきた。少子高齢化で地方の輸送・警備網が細る中、重くかさばる硬貨を全国均一に流通させ続けるモデルは、もはや持続可能ではない。硬貨手数料の徴収は、社会全体で現金の維持コストを適正に分担するための必然的なステップともいえる。