この異年齢を混ぜ合わせる教育モデルは、決して新しい思いつきではない。20世紀初頭にマリア・モンテッソーリが確立したモンテッソーリ教育法では、3歳の年齢幅をもつ異年齢クラスがシステムの中核を成していた。子どもには自らを育てる力が備わっているという前提のもと、異年齢の刺激が成長を促す触媒になると捉えられていたのだ。
発達心理学の観点からも、この環境の効果は論証されている。心理学者ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」理論が示す通り、子どもは自分より少し上の力を持つ他者と関わることで、1人では届かない思考や行動のレベルへ引き上げられる。大人が過剰に介入せずとも、園児同士の小さな相互作用そのものが豊かな教育空間を作り出している。