冷凍弁当の最大の敵は、解凍時に細胞組織から染み出る「ドリップ」と水分の分離だ。食品保存学の見地から見ると、食材に含まれる水分は凍結時に氷結晶へと変わり、これが細胞壁を破壊することで食感や旨味を損なう原因となる。
冷凍食品界の巨人であるニチレイフーズが長年培ってきた知見からも明らかなように、家庭でクオリティを担保する最大の鍵は「水分コントロール」と「急速冷凍」にある。水分の多い生野菜をそのまま凍らせるのは御法度。炒め物には片栗粉でとろみをつけて水分を閉じ込め、和え物にはすりごまやかつお節をふんだんに使って余分な水分を吸わせる。また、熱伝導率の高いアルミトレイの上に弁当を並べて急速冷凍を促すことで、氷結晶の肥大化を防ぎ、解凍時の食感劣化を劇的に抑え込むことができる。