生のパイナップルを食べた際に生じるパイナップル 舌の痺れ 原因は、単一の要素ではなく「化学的分解」「物理的微細傷」「酸による刺激」という3重の生体反応が同時に舌の上で発生することに起因している。
最大の要因は、果肉や果汁に豊富に含まれるブロメライン タンパク質分解酵素である。人間の舌表面および口腔粘膜は、唾液に含まれる「ムチン」と呼ばれる粘液性の糖タンパク質によって強固に保護されている。しかし、生のパイナップルを咀嚼すると、高濃度のブロメラインがこの保護膜であるタンパク質を急速に分解・融解してしまう。その結果、舌の角質層が一時的に剥き出しとなり、神経末梢が無防備な状態に晒される。
そこへ追い打ちをかけるのが、果肉内部に無数に存在するシュウ酸カルシウム 針状結晶(ラフィド)の存在だ。顕微鏡で観察すると先端が鋭利に尖った微細なガラス針のような形状をしており、咀嚼の過程で無防備になった舌の粘膜に無数の微小な傷をつける。さらに、パイナップル自身が持つクエン酸やリンゴ酸といった有機酸(pH3.5〜4.0前後の強い酸性)がその微小な傷口に直接染み込むことで、あの独特の「焼けるようなピリピリとした激痛」が完成する。