ネット上の情報やSNSの反応を追うと、「軽井沢は避暑地詐欺だ」「もう行く意味がない」という極端な言説が散見されます。しかし、現場の取材を重ねると、旅行者の多くが「気候の盲点」を理解しないまま旅程を組んでいる実態が浮かび上がります。
最大の盲点は、軽井沢朝晩の寒暖差の激しさです。真夏であっても、夕立の降った後や深夜から早朝にかけての気温は18度〜20度程度まで急降下します。真夏日を記録した日の夜であっても、熱帯夜に苦しむ東京とは異なり、適切な換気と外気取り入れができれば自然の冷気で熟睡することが可能です。つまり、「涼しくない」と断じる人の大半は、最も気温が高く観光客が密集する11時から15時の時間帯に、日陰の少ない商業エリアで活動した結果だけで全体を評価してしまっています。
また、軽井沢旅行の評判とネットの反応が二極化している背景には、移動手段の差もあります。エアコンの効いた自家用車やタクシーで移動し、森林に囲まれたカフェや美術館を巡る滞在型旅行者は「東京の地獄のような暑さを忘れられた」と絶賛します。他方で、新幹線で軽井沢駅に到着し、徒歩やレンタサイクルで炎天下の旧軽井沢銀座やアウトレットの広大な敷地を往復した観光客は「熱中症寸前で最悪だった」という真逆の感想を抱くことになります。