科学的・医学的見地から見れば、彼の主張は容易に受け入れられるものではない。睡眠医学の専門家たちは長年、「FNSS(Familial Natural Short Sleeper)」と呼ばれる遺伝子変異を持つ人々が存在することを指摘してきた。ADRB1やNPSR1といった特定の遺伝子を持つ人々は、遺伝的に4〜6時間の睡眠で十分な健康状態を保てる。しかし、これらは人口の1%にも満たない極めて稀なケースだ。
ここでの決定的な違いは、堀氏が「後天的なトレーニングによって短時間睡眠は誰でも習得できる」と主張している点にある。医学界の主流派は、長年の睡眠不足が心血管疾患や認知機能低下、免疫力の低下を引き起こすと警鐘を鳴らし続けている。それにもかかわらず、10年以上健康状態を維持している堀氏の存在は、従来の睡眠メカニズムに対する大きな問い直しを迫っているのだ。