コンプライアンス遵守が厳しく叫ばれる昨今の不動産業界において、暴力団関係者の排除は最優先課題である。しかし、実態はいたちごっこが続いている。賃貸契約時に反社会的勢力ではない旨の誓約書を交わさせても、実質的な入居者が転貸によって反社関係者に入れ替わるケースが後を絶たないためだ。
これに対し警視庁は、管理組合やビルオーナーと連携した「暴排アパート・マンション運動」を強化し、実質的支配者の特定を進めている。しかし、歌舞伎町1丁目・2丁目の特定の路地裏に位置する築古マンションでは、所有者不明の部屋や海外投資家名義の物件が乱立し、行政や警察の規制の手が届きにくいブラックホールとなっている。家賃が相場より著しく安い、あるいは現金手渡しで入居できるといった触れ込みの物件には、知らず知らずのうちに裏社会のトラップが張り巡らされている。