阿部慎之助という男は、グラウンド上で滅多に感情を露わにしない。喜怒哀楽をストレートに表現した長嶋茂雄氏や、時にパフォーマンスを交えた原辰徳氏と比べると、その表情は冷徹で、何を考えているのか読めない不気味さがある。
この「冷たさ」が、選手を冷遇しているかのような印象を周囲に与えてしまう。捕手というポジションは、常に最悪の事態を想定し、味方すらも冷徹に観察するポジションだ。監督になってもその視線は変わらない。だが、そのドライな関係性が、外側からは「冷酷な指揮官」として映り、ファンに冷たい印象を与えてしまうのは皮肉な結果と言える。