厚生労働省の各種福祉調査や障害福祉現場への取材を総合すると、成人後に初めて受診した女性当事者の多くが、診断を受けるまでに過酷な自責とメンタルヘルスの悪化を経験しています。
都内の相談支援機関に訪れた20代後半の女性は、次のような手記を残しています。
「学生時代は真面目に出席し、赤点を回避して卒業できました。しかし就職後、電話を取り次ぐ作業や、複数の書類を期限順に処理する業務がどうしてもできず、『なぜメモを取らないのか』『やる気がないのか』と毎日叱責されました。必死に努力しても追いつかず、うつ病を発症して退職。心療内科の心理検査で初めて軽度知的障害(IQ63)と告げられたとき、ショックとともに『自分の怠惰のせいではなかった』と涙が止まりませんでした」
SNSや当事者コミュニティの検証においても、「天然キャラとして扱われてきたが、私生活では公共料金の支払いや金銭管理が破綻していた」「頼まれると嫌と言えず、悪質なマルチ商法やマッチングアプリの詐欺に引っかかってしまった」といった切実な声が数多く確認できます。能力の限界を超えた環境に適応しようとし続けた結果、うつ病、適応障害、パニック障害などの二次障害を併発する事例が後を絶ちません。