デジタル空間における情報の拡散速度も目を見張るものがある。現在、YouTube上では医療従事者やスポーツトレーナー、防災専門家が配信する「リアルタイム熱中症対策」の動画が爆発的な再生数を記録している。専門家が口を揃えて推奨するのは、手のひらを15度前後の冷水で冷やす「手のひら冷却(AVA血管冷却)」や、外出前に経口補水液を少しずつ摂取するプレハイドラトレーション(事前水分補給)の手法だ。
また、若年層を中心に「粋な夏の過ごし方」の概念も変わりつつある。真夏の真っ昼間に無理をして出歩くのではなく、夕暮れ時の「打ち水」に合わせて涼しい風鈴の音に耳を傾けたり、オンラインで離れた友人と冷涼なカフェメニューを嗜みながら談笑したりするデジタルな涼の取り方が定着しつつある。テクノロジーと伝統の智慧をハイブリッドに掛け合わせる姿勢こそが、現代における最もスマートで「粋」な防暑の美学なのだ。