日本国内でアナザーストーリーという言葉を決定づけた金字塔といえば、NHKで放送されているドキュメンタリー番組『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』です。誰もが知る歴史的事件や社会現象を「3つの異なる視点」から検証する独自の手法で、放送開始以来きわめて高い評価を獲得してきました。
番組の重厚な世界観を支えているのが、歴代のナビゲーターとナレーション陣の存在感です。スタジオで落ち着いた知性と好奇心を放つナビゲーター(松嶋菜々子ら)の語り口に加え、番組に緊迫感と詩情を吹き込む実力派ナレーター(濱田岳ら)の低音ボイスが、ドキュメンタリーとしての完成度を極限まで高めています。
単なる記録映像の羅列にとどまらず、当事者たちの感情の機微を演劇のように描き出す演出力は、既存の報道番組とは一線を画すオリジナリティを誇っています。