「検索した電車に乗ったはずなのに、保安検査場で無情にもゲートを閉められた」――空港カウンター前で途方に暮れる旅行者の証言を検証すると、個人の不注意だけでは片付けられない構造的な要因が浮かび上がってきます。仙台空港アクセス線を利用する際、時刻表の数字だけを見ていると見落としがちな3つの落とし穴が存在します。
第1の落とし穴は、「運転間隔の非均一性と1本逃した際のリカバリー不能性」です。首都圏の空港アクセス線(京急線やモノレールなど)のような数分間隔でのピストン運行とは異なり、仙台空港アクセス線は1時間あたり2〜3本の運行が基本です。朝夕のピーク時を除くと、時間帯によっては運行間隔が25〜35分ほど空く空白時間帯が存在します。仙台駅でタッチの差で列車を逃した場合、次の列車を待つだけで30分を喪失し、空港到着時にはすでに国内線の保安検査締切時刻(出発20分前)を割り込む計算になります。
第2の落とし穴は、「JR東北本線との直通運転に起因する突発的なダイヤ乱れ」です。仙台空港アクセス線は、名取駅〜仙台空港駅間(7.1km)を仙台空港鉄道が保有・運行し、名取駅〜仙台駅間(10.4km)はJR東北本線へ乗り入れています。この直通構造が仇となり、東北本線内で発生した信号トラブル、強風、踏切安全確認、あるいは人身事故の影響をそのままダイレクトに被ります。「自社線内は快晴で問題ないのに、直通先の他線区トラブルで全線運転見合わせになる」という事態が日常的に起こり得ます。
第3の落とし穴は、「車両両数(2両編成)とキャリーケース滞留による乗降遅延」です。後述するように、日中の普通列車には2両編成で運行される便が依然として多く残っています。大型スーツケースを抱えたインバウンド団体客やビジネス客が集中すると、車内通路やドア付近が完全に塞がれ、途中駅での乗降に通常以上の時間を要します。その結果、各駅で1〜2分ずつ遅れが累積し、仙台空港駅到着時には定刻より5〜10分遅延しているケースが珍しくありません。