周囲から見れば、二人の共演は「怪獣大戦争」のようだった。柄本明という怪優が持つ底知れぬ不気味さと、志村けんが持つ圧倒的なキャラクター造形力。これが融合したとき、笑いは狂気へと変貌する。ただ面白いだけでなく、どこか哀愁があり、少し怖い。それこそが彼らの目指した笑いの極致だったのだろう。
志村は生前、柄本のことを「自分を一番追い込んでくれる存在」と評していた。予定調和を嫌う志村にとって、柄本が仕掛けてくる予測不能なアプローチは、最高の刺激だったに違いない。役者としてのプライドをかけた、無言の戦いがそこにはあった。